ノルウェー

-Story-


ノルウェー王国は北欧スカンディナヴィア半島の西にある国で、首都はオスロ。人口は460万人ほどである。
古くは10世紀頃のヴァイキング時代に国家形成が進んだという長い歴史を持つ。その後長きにおいてデンマークやスウェーデンの支配下に入るが、1905年に独立。国民投票の結果EUには非加盟である。現在では世界最高峰の福祉国家で、男女平等も進んだ国として日本及び各先進国からも注目されている。
主な産業は原油輸出と金融業と広大なフィヨルドとオーロラを背景にした観光業である。日本においてはノルウェーサーモンの輸入で有名。ギネスブックで世界一税金が高い国として紹介されたこともある。

芸術と科学

ヴァイキング時代からの素朴で力強い文化が根底に流れつつも、新時代を切り開く才能豊かな人材を、「民衆の敵」作者のイプセンの他にも多数輩出している。
ビョルンソン
ノルウェーの国民的作家でノーベル賞受賞者。イプセンとほぼ同時代人で、ノルウェー文学の双璧をなしている。国歌の作詞者でもある。代表作は「アルネ」「日向が丘の少女」などがある。森鴎外が翻訳を手がけたりしている点、日本の文豪とノルウェーの文豪の間に響きあうものがあったのだろう。ノルウェーの風土が作品から薫ってくるように感じられ、再評価が待たれる。
ムンク
「叫び」であまりにも有名な画家で、現代人の不安を象徴的に描き出したその絵の数々は、普遍性に富んで全世界に今も多大な影響を与え続けている。「昔の人が愛を炎に例えたのは正しい。愛は炎と同じように山ほどの灰を残すだけだからね」との言葉通りペシミストであったが、真摯な芸術へのまなざしはいつまでも人間存在の根幹へ注がれている。
グリーグ
ペール・ギュントの「朝」や「山の魔王の宮殿」といった日本人にもとても馴染み深い曲を作った、傑出した作曲家である。他に「ホルベアの組曲」が有名。彼のインスピレーションの根源は、ノルウェーの民族音楽であり作品の随所でその影響が感じられる。とても小柄な人であったが、作品の普遍性と旋律はオーロラのように広大に広がっている。
アーベル
19世紀初めに彗星の如く現れた天才数学者。後代の数学者に500年分の仕事を残してくれたとまで言われた怪物。早世が惜しまれる。アーベル関数として数学史に名を刻んでいる。“青銅よりも永続する記念碑”と言われた「超越関数の中の非常に拡張されたものの一般的な性質に関する論文」が主著で、2001年より彼の名を称したアーベル賞が制定された。
アムンセン
人類史上初の南極点に到達した男。また北極点も制覇して両極地点を初めて踏破した英雄として、今もノルウェー人の誇りとして称えられている。史上はじめて北西航路の横断航海に成功したのも彼であり、全世界の探検家たちの心に不滅の焔を灯した。彼が知性的かつ情熱的な人物であったことを与えられた夥しい数の勲章が証明している。